suztomoの日記

To be a good software engineer

How to Raise an Adult

Twitterでおススメされていたので予約した。よく読んでみると会社でのメンタリングにも役に立ちそう。

著者はStanford大学の学部長をやった経験から多くの親が過保護になっているのを見てきたし、自分自身の子育てもそうなってしまっているのに気づいた。子供にもっと家事(Life Skill)をさせ、親が自分自身の人生にもっと重きを置きエリート大学への固執を辞めるよう説く。

How to Raise an Adult

1 What we’re doing now

Keeping them safe and sound

学校の教室にまでついてくる親がいる。

過保護な親は不審者による誘拐を怖がっているが、統計的には世の中は安全になってきている。誘拐の確率は交通事故やフットボールで死ぬより低い。そんな低い確率のために私たちの行動を変えるには不合理だ。

成長機会が失われている。著者は9歳の頃ベビーシッターをやってお金を貰って子供の世話をしていた。今では法律で12歳以下の子供は家に一人でいてはいけない。ガールスカウトでクッキーを販売する活動をしている子もいるが、ハンドブックは18歳になるまで親の手伝いを推奨している。

Self-esteem. アメリカの教師や親は自信を育てるのに注力するあまり現実の競争から子どもを遠ざけようとしてしまっている。常に"Great job"でより良い自分になる機会が失われている。

Providing opportunity

研究によると子供のうちに一つのスポーツだけをやる子は怪我をしやすい。

選手が改善しなければ行けない部分を指摘したら親たちの間でコーチ解任運動が起こる。

大学の入試で「これまでもらった1番大切な貰い物は何か?」という問いに成績優秀者は往々にして祖父母との時間(釣りや料理)と応える。

子どもの将来の夢は周囲の環境によって作られる。

子供の成長をチェックリストと考える親。有名な大学はチェックの一つ。スタンフォード大学に入れるにはどうすれば良いのかばかり考えて、その子に合った(fit)大学に行かせる事は二の次である。

子どもがどうなるか親が(勝手に)夢想するのは良いが、それを元にチェックリストを作ってしまうのはダメである。

子どもが学業で忙しく、睡眠時間の確保もままならないのでアシスタントとして親が食事や洗濯をやりたくなってしまう。

Succumbing to the college admission arms race

親や家庭教師が代わりに宿題をやってしまう問題。他の子の親がやっているので、自分がやらなければうちの子は良い成績をとれない。学ぶ機会を奪ってしまうが、行きたい大学に行けなくなってしまってはの大学での学びそのものが得られない。

飲酒やドラッグで警察に捕まるとスポーツチームを謹慎するルールがある学区では、子どもの親が弁護士を立てて教育委員会を訴える。裁判で勝てば大学進学の傷がつかないかもしれないが、本当の教育の機会を逃してしまっている。

2 Why we must stop overparenting

Our kids lack basic life skills

大学の寮で大きな荷物が届いたのに自分では人に助けを請えずにお母さんが電話して寮の人に運ぶのを手伝ってもらう子ども。車が動かなかった時にAAAを自分で呼べない子ども。(しかも来てもらってもなせかFacebook友達のアドバイスのほうを信頼する子ども)

18歳へのチェックリスト。

  • 見知らぬ人に話しかけることができる
  • 自分で道を探索できる
  • 宿題を自分で解いて締め切り管理する
  • 家庭に貢献する
  • 人間関係の問題を解決できる
  • 良い時と悪い時に対処できる
  • お金を稼いで管理できる
  • リスク(失敗するかもしれない事)を取れる

They’ve been psychologically harmed

近年子供のメンタルヘルスが問題になっている。研究によると過保護さとこの問題は相関関係にある(因果関係は示されていない)。

成功というのは多くの意思決定、挑戦と失敗のあとにあるが、子どもは親がそれらをくぐり抜けていることを知らない。

精神的に害悪を与える過保護な行動:

  • 子どもが既に自分で出来ることを親がやってしまう
  • 子どもがほとんど自分で出来ることを親がやってしまう
  • 親の行動が親のエゴに基づいている時

中華系アメリカ人は子供に完璧、1番を求めるTiger motherになる傾向がある。UC Hastingsの学部長Frank Wuの”Everything my asian immigrant parents taught me turns out to be wrong”は多くの共感を呼んだ。

SATスコアよりも子供の自殺率が町の成功を測る良い指標だ。Palo Altoの高校では命を絶つ子どもが多い。

They are becoming study drug addicts

ADHDだとテストの時間が長くなるのであえて診断されようとする親たちもいる。

AderallやRitalinといったStudy drugs (smart drug, goog-grade pill)は集中力を継続させる力がある。これらを勉強やテストの成績のために使う子もいる。調査によると8人に1人。Aderallを保険で処方された人が友達に売る。多くの勉強をやらなければいけない友達同士で助け合うため。

Adderallの悪影響はまだ分かっていない。

We're hurting their job prospects

息子が激務すぎるからその上司の電話番号を調べて電話する母親。息子はクビになった。インターンシップに落ちた子の親から人事部に電話がかかってくる。

"Because it's you contacting me, instead of your kid; I need someone with drive."

Overparenting stresses us out, too

多くの親は子どもの成功と失敗が自分達のものだと思ってしまっている

College admission process is broken

U.S. News and World Reportが毎年大学ランキングを出すせいで親と子は大学がランキングされるのだと思ってしまっている。

スタンフォードの合格率は5%なので普通は無理。なのに人々は入れるかもしれないと思い、それをゴールにしてしまう。

SATは親の富を象徴する。お金を払ってくれる家族の子を入学させる。College Boardは知識よりも問題に当てはめるのに注力したテストを用意していて2016年に使われ始める。Khan Academyと協力して無料の勉強コースもある。富がエリート大学に入るバリアになっているのを防げるだろうか。

本Excellent Sheepから

The elite have purchased self-perpetuation at the price of their children’s happiness. The more hoops kids have to jump through, the more it costs to get them through them and the fewer families can do it. But the more they have ti jump through, the more miserable they are. You think you’r screwing other people’s kids, but you also end up fucking your own.”

3 Another way

四つの区分の図。

  • Permissive/indulgement
  • Authoritarian
  • Neglectful
  • Authoritative (目指すべき所)

4つの区分の図

Authoritativeはルールに従うがルールの背景を説明する。子供に1人の人間として暖かく接する。PermissiveとAuthoritarianの間のバランス。

Give them unstructured time

子供であることを楽しむ時間。大人があれやれこれやれ言わない時間。

道具を用意してあげて、どうやって遊ぶかは子どもに任せる。子供の年齢に応じて距離を取るようにする。子供のおもちゃの取り合いは子供にまず任せる。

隣人と仲良くなろう。小さなパーティもいい。もし子どもに問題があれば連絡するように伝える。

BerkekleyにあるAdventure playgroundやIcthacaにあるChildren's Gardenが良い遊び場。

子どもの遊びを中心に作られているのでモンテッソーリ学校は良い。

地域コミュニティで子どもが安全に自由に遊べる運動をしてみよう。

大人が遊んでいる姿を見せる。友達とおしゃべりしたり、一人で趣味をしたりする姿を子どもに見せよう。

Teach Life Skills

まず親がやる、次に一緒にやる、次にやるの見る、最後にひとりでさせる。

年齢別のスキル表:

年齢別のスキル表

完璧を目指さない。

Teach them how to think

Critical thinkingを身につけるには「なんで?」の質問に質問を重ねて考える力をつける。ソクラテス風。本 "The Smartest Kids in the World: And How They Got That Way"

Toddler、Elementary school, middle school, high schoolごとに適切な質問例が変わる。段々と難しくなる。(質問するというのは同じ)

一部の文化では目上の人に逆らっているようなのできらわれる。

子供が問題を起こした時(例えば宿題を学校に忘れるとか)は親はすぐに解決してしまいたくなる(車で学校まで行ってあげる)が、一呼吸置いて子供にどうすればいいか考えさせる。

子どものやっていること、言っていることが大人(あなた)が思っているのと違う、足りていない点があるかもしれないが介入するのを出来るだけ待つ。

Prepare them for hard work

4歳ぐらいから家事をする子供は10代になってからする子よりも成功する。(ここの成功はドラッグになよらない、人間関係が良い、仕事に就いているということ)

あれやこれやお膳立てしてあげながら子供を育てると、子供は自分のやりたい1番大切な仕事が目の前に来るまで待ってしまうようになる。「映画監督の才能があるよ、すごいすごい」と言われながら育ってしまうと「なぜ誰も自分を監督として雇ってくれないのだろう。もしかしたらこと場所が悪いのかもしれない」とうまく行っていない理由を自分の外に考えてしまう。 そしてそういう子は採用されない。

本で紹介されている家の仕事はベッドを綺麗にする、おもちゃを片付ける、洗濯物を片付ける、皿洗い(do the dishes)、草を抜く、植物に水をあげる、窓を拭く、物置を綺麗にする、車を洗う。

Let them chart their own path

Stanfordの学部長としていろんな学生を面接したけれど、みんな他の人(親)が期待している事をやっているだけで本人が本当にやりたい事は何かと深く聞くと泣いてしまう子が多い。

Help them find mentors. 身の回りに子どものなりたい事に関係する人がいれば子どもに会わせてあげよう。科学者、飛行機の人、本の著者など。「どうして今の仕事をやるようになったの?」は良いicebreakerな質問。

自分の仕事を持とう。家では仕事の文句ではなく、お客さんの事とか成し遂げた事を話そう。

Resilience is the ability to bounce back from adversity. Growth mindset. Brene Brownは本the Gift of Imperfectionで“Wholehearted living”という考えを書いた。

“Yes, I’m imperfect and vulnerable and sometimes afraid, but that doesn’t change the truth that I am also brave and worthy of love and belonging.”

Be present in your kid's life.

  • Show your love. 子どもが家に帰ってきたら手を止めてその存在が嬉しい事だと表現する。
  • Take an interest in them. 彼らの興味のあることに興味を持とう。
  • Show them you care. 困難に当たって落ち込んでる時には、次にどう対処すれば良いのか考えるのを手伝う。自分の時はどうだったかを話す。他人のせいにせず、自分がコントロールできる範囲にする。

Back off

  • Let them make choices and decide how to do things. 着る服を選ぶ、暑いならコートを脱いで良い(middle school)、宿題の順番(high school)。
  • Let them take risks and make mistakes.
  • Guide the dialogue of why. How could we do better?
  • Continue to set the bar higher. 色んな事を自分でできるようになると自信が湧く。それに合わせて多くの責任を与えてチャレンジさせてみよう。
  • Combat perfectionism.

Give specific authentic feedback

  • 褒める時は子どもがやった事をよく見てどの部分が良い、努力したかを褒める。
  • 批判する時は人ではなく行動を対象にする。「なんで言われた通りやらなかったの?!」は駄目。

失敗は学びの種。安全に関わるものでなければ失敗させて振り返らせよう。

心理学者Michael Andersonと小児科医Tim Johansonが作ったMistakes and curveballs you must let your kid experienceのリスト:

Mistakes and curveballs ou must let your kid experience

カリフォルニアとテネシー州低所得者向け教育で成功を収めているNPOのAspire Public Schoolの話。CEO James WillcoxはWest Point卒業後陸軍に8年勤めてStanfordでMEdとMBAを取った人。

Have a wider mind-set about colleges

U.S. Newsのランキング、つまり入る難易度で大学を選んではいけない。良いマッチングをするのを狙うべきなのに高い所へ行くためのゲームと捉えてしまっている人の多い事。

1 Realistic about the odds 2 Brag about other brands 3 Understand the advantages of going to a less selective college. Stacy Berg DaleとAlan Kruegerの調査によると学生はトップ20に行こうが100に行こうが20年後の収入は変わらない。本David and Goliathではトップ5-10%に入れる学校を狙うべきと。 4 Use best college lists other than the U.S. News list. 例えばFiske Guide to Colleges, Colleges that Change Lives, Looking beyond Ivy League, Alumni Factors.

Focus on fit and belonging. 作り物の自分ではなく本当に自分らしくなれる場所は何か。著者は幾つもの大学を訪問してそこの学生に「この大学に応募しようとしてるんだけど、大学はどう?」と聞いてみると、勧める。大学に雇われていない3, 4人に聞く。

もちろん17歳にはやりたい事が分からない子ばかりである。どこに興味があるか、何を学ぶのが楽しいか、育てて社会に役立てたいものは何か、を見つける道程で今の所は著者にとっては十分である。

Listen to them

子供の興味、楽しいこと、心配事は何か。

4 Daring to parent differently

Reclaim Your Self

子どもを育てるからと言って自分の人生を捨ててはいけない。子どもは親たちがどう人生を送っているかを見て自分の人生を理解する。子どもの世話ばかりしている親を見ても自分自身の人生を生きていく助けにはならない。

自分の情熱を見つけてゴールを設定し、そこへ向かう道を歩く。

他の親と教育方針が違うことになるかもしれないが、きちんと自分の方針を説明してわかってもらおう。