マネージャー必読の書リストより。
文化の違いが作った場を見つけた時に何が出来るだろうか?この本はそのパターンを教える。
個人の違いを認めるのは大切たが、それは文化の側面を学ばない理由にはならない。
8つの指標での文化の比較。相対的なものなので自分の文化から見て右なのか左なのかみるべき。
自分自身がその中にいると、一つの国の中でも場所ごとに文化は違うので国ごとに分けることは出来ない、と感じる事もある。しかし実際はその国を出てみると国の特徴をはっきり見ることができる。
1 Listening to the Air
もし完全にわかってないと思う時は自分はちゃんと聞く責任がある。自分は詳しくないから詳しく教えてくれないか?と聞こう。
往々にして問題はhigh-context cultureの違う国でのコミュニケーションで起こる。High-context cultureでcultureで同じ国ならば良いのだけれど違うバックグラウンドでは間違ったメッセージが伝わる。例えばブラジル人と中国人。多文化のチームはlow-context communicationに振れるようにすると良い。
High-context cultureでは会話の後に文字に書いて送るのは信用していないサインに受け取られることがある。それをやる前に文化の違いを説明するのが良い。
2 The Many Faces of Polite
文化によって良い、悪いフィードバックを伝える方法は違う。一つの文化でうまく行っていた方法は他ではうまく行かない時が多い。
Upgraders and downgraders. 前者はabsolutely, totally, or strongly. 後者はkind of, sort of, a little, a bit, maybe. フィリピンからの優秀な弁護士が
I thought we might possibly consider giving a bolder look to the brochure cover… maybe? What do you think?
と言う所をアメリカ人ならば
The look of the cover isn’t working. I suggest we try this.
という事もあるだろう。
文化によって礼儀正しい行為というのは異なる。直接のネガティブなフィードバックをしないことを礼儀正しいとする文化もあるし、その逆もあるのだ。
3 Why Versus How
説得する方法。ドイツではバックグラウンドから解説することが好まれて、アメリカでは結論から。アメリカ人のプレゼンを聞いて結論を聞いた時にドイツ人は「そんなのいきなり言われて信じろというのは我々を馬鹿だと思っているのか?」と思ったエピソード。
Whyを大切にするprinciple-firstとHowをすぐ考えたいapplication-first. フランス人部下、アメリカ人上司の間で仕事をする時、フランス人はなぜそれをやるのか考えてから進めたい。やれと言われたものだけやるのモチベーションを下げる。アメリカ人はさっさとやって欲しいのになぜなぜ聞いてくるので反抗的だと感じてしまう。
西洋の世界ではアメリカとイギリスがapplication-firstでその他ヨーロッパがprinciple-first.
Common lawは判例を元に判断が行われる。(application-first)
Civil lawは一般的なルールがあって、それを個々の事例に適用していく。(principle-first)
ブラジル人のブラジル支部長がアメリカ人マネジメントを説得しようとして詳細なプレゼンテーションを用意したからなかなか説得できない。しかしアメリカ人のアドバイスに従って彼らを現地に連れて行って現場を見せたらすぐに承認された。
多文化のチームでは応用の話と理論の話を用意してそれぞれ言及することで両者の話をまとめることができる。
上の西洋の中での対比に加えてアジアではholisticである。西洋はどちらもspecificである。
4 How Much Respect Do You Want?
オランダ人を管理するメキシコ人上司の悩み。自分の考えを伝えても部下達はそれに疑問を投げかけ、別のトピックに話が移り、全然自分の言う事を聞いていない。自分は上司なのに!
文化によって上司の象徴も違う。デンマークでは上司が自転車で通勤することは"I'm one of you"というのを表す良い事。一方で中国では自転車は下層の人々が使うものだと考えられていて、自転車に乗っている上司は重要ではない=自分達のやってる事も重要では無いという考えに繋がってしまいやる気が削がれるそう。
上司の上司に直接メールを送ってもいいのか?オランダではOK。
中国では上司は常に正しい。上司が意見を募っている時は上司は自分の考えを部下がわかっているかを試している、とされる。でそれが分からないから部下は黙る。これを防ぐには
- 部下だけで議論してもらう
- ミーティングの前に何を聞くか事前に言っておいて名指しで聞くとも言う。
- そしてミーティングで名指しで聞く
5 Big D or Little d?
Decisionの重さがアメリカとドイツで異なる。アメリカは早く決めるが、数日後にやっぱりやめたになる。
for Americans, a ‘decision’ is simply an agreement to continue discussions.
多文化のチームではどうすればいいか?
- decisionの決め方にさまざまな方法があるという事を知る
- あなたがリーダーならば色んな人から意見を募る
- リーダーがいない時は多数決を提案する
- 一番良いのは意思決定の方法を事前に明示すること。
6 The Head or Heart
会社を去る人に対して冷たいアメリカと辞めても関係が繋がるスペイン。
Relationship-basedとtask-based trust. 前者はご飯などで関係を築くことが大切。
日本人は昼はtask-tasedで夜はrelationship-based。飲み会で本音を言う。
Relationship-basedの相手には電話や直接会うのが良い。「今後一緒に働くことがあるだろうからHelloと言いに来た」ミーティングというものが存在する。
7 The Needle, Not the Knife
Loss of a face or spirited debate? ミーティングや会食で議論が白熱して声をあげてそのあとケロッと仲良くお喋りする文化もある。例えばフランス。
Confrontationが好まれない文化では上司が一旦離れて部下同士で議論してまた戻ってくると良い。または数日前に宿題としてお題を考えてもらう。
文化によって良いミーティングというのが違う。
- 判断がなされるミーティング
- 多くの視点が議論されるミーティング
- ミーティングの前に決定がなされていて(Nemawashi)それを確認するミーティング
Confryntation文化ではupgrader words (absolutely, totally, completely)が使われて、confrontation-avoiding文化ではdowngrader words (sort of, kind of, slightly)が使われる。
聞き手の文化によって"I disagree with you"は議論を終えてしまう恐れがある。"I don't quite understand your point. Would you explain more about it?"と言い換えると良い。
中国の先生がヨーロッパに来てconfrontationが生徒からあって嫌なので言い返すようにしたらそれは敵対的だと思われた。confrontationの文化の真似をせずに自分のやり方で反論するのが良い。
自分が言う事の背景を説明するといい。"Let me play devil's advocate, so we can explore both sides."(故意に反対の立場になること) の例。
色んな視点で物事を議論しつつ個人間の関係を保つ方法があるはず。
8 How Late Is Late?
文化によって待ち合わせ時間の寛容さは違う。
Monochronic time. 時間を具体的なものとして扱う。
Polychronic time. 待ち合わせは将来のぼんやりとした時間。Linear-time culture.
極端なP-timeの例だと「牛が帰ってきた時」とか言う。Flexible-time culture.
ミーティングも、アジェンダがあって一つの線に沿うように行われる文化もあれば、アジェンダがあっても木のように広がっていく文化もある。
Interruptions, agenda changes, and frequent shifts in direction are seen as natural and necessary.
ブラジルではディナーに招かれた時は15分以上遅刻していくのかマナー。アメリカはそうではない。
多文化のチームでは時間については明示的に行動しましょう。
Epilogue
人間は皆一緒な点もある。同じ地方の人でも個々人が違う点もある。
Fault line. Us v.s. themにならないように人や文化を混ぜられるといい。多文化の経験のある人を育てたり。