ラディカルプロダクトシンキングはお読みいただけましたでしょうか。キャリア形成にも人生のビジョンが必要なように、プロダクトを進化させる前提にもしっかりとしたビジョンが必要です。上司やチームがいつの間にか全然違う方向にいっていませんか?監訳させていただいた本です↓#翔泳社 pic.twitter.com/raHlSAwKtM
— Haruki Sonehara / 🇺🇸シリコンバレーのプロダクトマネージャー(B2B・B2C) (@Haruki_Sonehara) October 14, 2022
NYPLで電子本を借りた。
Radical Product Thinking is means being inspired by a change you want to bring to the world and thinking about your product comprehensively as a mechanism for creating that change.
プロダクトを作るときにどうビジョン(あるべき将来像)を作りそれを日々の実行に落とし込むかを説く本。
Introduction
Boeingが目先の利益を得るために古い737を改造して737 Maxを作り、そのエンジンの位置を前につけ、失速を防ぐためにManeuvering Characteristics Augumentation Systemを作ったがこの難解な操作方法が2度の事故に繋がったとされる。これはiteration drivenで局所最適が起こってしまった失敗例。
著者のLobby7というソフトウェア受託会社を始めた。Iterate until we found a killer appを目指していたが上手くいかなかった。
著者はその後Avid Technologyに入社した。Sony製のソフトがテープベースの業務フローで使われている映像制作業界でAvidのDavid Schleiferは映像制作がソフトウェアでどう変わるべきかを描き出して年に一つづつAvidのプロダクトを出していった。特に過去の映像を探し出してつなげること。著者はAvidの顧客と議論して業務フローに足りない機能を探し出すこと。顧客ごとにカスタマイズと幅広い顧客が使えるバランスを解決するには、顧客がAvidのビジョンに共感するのが大切だった。
わずか5年でAvdはキー局のSony製のソフトウェアを置き換えた。Avidの社員は飲み会とかで製品のことをよく話した。
Part 1: Innovating Smarter Requires a New Mindset
1 Why we need Radical Product Thinking
エンジニアSandy MunroによるTesla Model 3とGMのChevy Boltの比較ではModel 3の革新的な技術を褒めていた。(ただしボディを除く) Hall effectを使ったはじめての安くて軽く力強いモーター。
Lean startupやAgileを否定するものではない。それのiteration driven developmentはどこに向かうべきかは示してくれない。不思議の国のアリスで、アリスがどこに行けばいいか聞くが猫は「それならどの道を選ぶかはどうでもいい」と答える。
あるべき状態(顧客や社会)を描き出して、それを実現するためにプロダクトを作る。プロダクト自体がゴールではない。
- プロダクトを変化をするメカニズムだと捉えるべき
- プロダクトを作る前にあるべき世界を想像する。
- そのビジョンを日々の行動に落とし込んでいく。
シンガポールは1965年の独立から国家としてプロダクトを作り上げていたと著者には見える。石油もない土地もない飲み水もない島が今の繁栄を築いているのは効率化に舵を切っていたから。
2 Product Diseases: When Good Products Go Bad
Disease 1 Hero Syndrome. 規模拡大や投資が目的になってしまっている。本当はあるべき世界の実現(課題の解決)に注力すべきなのに。
Disease 2 Strategic Swelling. やりたい事を詰め込みすぎてしまうこと。統一したテーマを持たずに企業買収をやりまくったYahooの例。
Disease 3 Obsessive Sales Disorder. セールスの人らがこの機能がロードマップにあれば受注が取れる、という理由で機能を詰め込みすぎてしまう事。
Disease 4 Hypermetricemia. ボタンが白がいいか青がいいかなど細かなことも数字で決めようとしまう事。測るのはビジョンに基づいたメトリックを決めよう。
Disease 5 Locked-in Syndrome. 過去に成功した技術に囚われて他の手段を模索できなくなってしまう事。
Disease 6 Pivotitis. Pivotだといってやる事をクルクル変えてしまい自分達が何を顧客に提供しているか不明になってしまうこと。
Disease 7 Narcissus Complex
Comorbidity
Good visionは解決すべき問題が中心にある。
Part 2: The Five Elements of Radical Product Thinking
3 Vision: Envisioning Change
同僚や顧客が答えられるビジョンが良いビジョン。
少し長いけれども、このRadical Vision Statementというテンプレートに沿うと便利。
Today, when [identified group] want to [desirable outcome], they have to [current solution]. This is unacceptable because [shortcomings of current solutions]. We envision a world where [shortcomings resolved]. We are bringing this world about through [basic technology/approach].
4 Strategy: Connecting the Why with the How
貧困を解決するためのMicrocreditの話(本Poor Economics)
RDCLの4つの問い。
Real pain points. 本当の問題は何か。Validate = valued + verified. ユーザは対価を払ってくれるのか。「もしかしたら本当は問題と思っている事が違うのではないか」から出発してリサーチする。
Design. その問題を解決する機能は何か。ユーザが問題に遭遇したとき感情は何か、それに対応するプロダクトはどんなであるべきか。
Capabilities. その解決方法を提供するのに必要な(抽象的)インフラストラクチャはなにか。なぜあなたがそれを提供するのに最適な人なのか。
Logistics. どうやってユーザに届けるのか。Price, delivery, installation, support.
5 Prioritization: Bringing Balance to the Force
Good vision fitとImroves survivalとの2つの軸で施策は4象限に分けられる。必要ないならばSurvivalはしないほうがいい。
Survival statementのテンプレート
Currently the greatest risk to our product's existence is that [we may not be able to raise venture funding]. If this happens, we won't be able to continue operating because [we won't be able to make payroll]. This risk is most likely come true if [we fail to demonstrate traction through user growth]. Some factors that could help us mitigate this risk are [focusing on growing the user base over the next six months, giving us time to seek funding before our cash runs out].
Riskを洗い出す時にはカテゴリ分けするといい
- financial risk
- stakeholder risk
- personnel risk
- legal or regulatory risk
- technology or operational risk
6 Execution and Measurement: Taking Action (Finally!)
Visionにつながるものを測るべし。
7 Culture: Radical Product Thinking Your Organization
Daniel H. Pinkによる本"Drive"が説く3つの内からなる(intrinsic)動機
- Purpose. A part of something bigger than oneself.
- Autonomy. 自分で物事を決める難しさ、楽しさ。
- Mastery. 自身の、社会に有用なスキルが向上すること。
Part 3: Making our World a Little More Like the One We Want to Live in
ここは壮大すぎて流し読みした。自分の日々の行動には影響はなさそう。