suztomoの日記

To be a good software engineer

Leadership BS

勝間さんのブログより。英語の本をNYPLで借りた。

katsumakazuyo.hatenablog.com

リーダーに関する本やセミナーでは誠実さやチームワークなどの美辞麗句が並べられる。一方現実では多くのリーダーが不正行為などで失敗する。多くの時間がリーダーシップの教育に割かれているのに。それはなぜか?

Introduction

多くのリーダーが不正行為などで失敗する。多くの時間がリーダーシップの教育に割かれているのに。それはなぜか?

個人のキャリアも教科書通りにはいかない。良いビジネススクールを出ても上司が駄目でそれを口にしてクビになる人もいる。他の部署との協力が必要になったり社内政治が絡むと駄目になる人もいる。

リーダーシップについて何か知っている事は良いリーダーになるのと関係はない。

個人の欲しいものと会社の集団の欲しいものが異なる時がある。これが失敗に繋がる。

Why Inspiration and fables cause problems and fix nothing

よくリーダーはinspireすると言われる。しかし必要なのはInspirationではなく問題の正しい理解(fact evidence)と解決方法のアイデアである。

カッコいい話ばかりしていて実際の行動はそれに沿っていない問題。その差を観察した人は彼らを偽善者と感じる。

隣のチームが自分の成功したチームを吸収しようとした時に、教科書通りにその人を知って仲良くなろうとした女性の話。彼は仲良くなるのには興味はなかったので何も変わらなかった。

大成功した人よりも、普通の成功をした人の方が学ぶのに良い。大成功した人は運の要素が多分にある。

聞こえのいい話よりも望ましい行動や結果を測る事が物事の解決に繋がる。

善行を積んだ後に人は少しなら悪い事をやってもいいかだろうと考えてしまう。この場合の善行とは教科書的なリーダーであること。

Modesty: why leaders aren't

たしかに一般には"俺が俺が"というself-promotingな姿勢よりはmodestな人が好まれる。自分の事を雑誌で話すCEOの会社は業績が低迷する。

しかし、実際にデータを見てみるとmodestなCEOはとても少ない。新しい事を始める人は既存の枠組みやウダウダ言ってくる人々のなか自分の事業を進めないといけない。これには自己愛(narcissism)が必要だ。

アメリカの学生のnarcissismのレベルがこの数十年で上がってきている。ビジネススクールの学生は中でも高い。

自己愛が強く(根拠のない)自信を持つ人は、空きポジションが出来た時に手を挙げるし、給与交渉もする。

Authenticity: misunderstood and overrated

リーダーは自分自身の性格に沿った行動をするのではなく、その場で求められている行動をする。リーダーには自分の気分が悪い時でもポジティブな感情を表現するのに長けた人が多い。

自分の事を最もpeerの中で若いとばかり表現していた女性の話を聞いた著者は"the smartest", "the most analytically skilled", "the person among the peers who has run the project that has had the biggest financial impact"と形容するアイデアを出した。台湾の家庭で育った彼女は自分からはこう表現することはないが意識して話す様にしてマネージャーにちゃんと理解される様になった。

ひとは立場が変わると性格も変わる。「本当の自分」は常に変わり続けるのでそれに合わせようとするのはおかしい。

Should the leaders tell the truth - and do they?

エグゼクティブ人材会社曰くエグゼクティブはレジュメに嘘を書く事を当たり前だと思っている。見つかっても正されるだけで悪い事は起きない。

営業には四半期の売り上げを四半期が過ぎてからカウントする習慣がある(所がある?)。著者が疑問を呈したらナイーブ過ぎておかしいように思われた。

会社の業績が悪い時に昇進のチャンスを本当より多く見せると従業員が辞めない。特に自分は普通より上と考えている人達は"そうであって欲しい(wishful thinking)"という考えを鵜呑みにしてしまう傾向がある。

Self-fulfilling prophecy. 創業者がまだ実現していない夢を自信を持って語り、お金と人を集めてやる気が出させて本当に成功する。Apple低迷期のSteve Jobsの重大な仕事の一つは優秀な人達を辞めさせなかったこと。

リーダーシップの教科書には嘘は吐かないと書かれているが、人や会社が何故嘘をつくのか理解する所から始めて世の中を良くしよう。

Trust: where did it go, and why?

Bill GatesにCP/MというOSとCD-ROMのカンファレンスを盗まれたGary Kildallの話。Bill Gatesには何も罰はない。

just-world effect (世の中は正しく公平であると考える傾向)。誰かが騙されたのを見ると被害者の非を探す傾向にある。

会社を買収して顧客サービスをコストカットしてある程度顧客は離れちゃうけど一時的な売り上げは上がる作戦がある。これを"cash cow"と言うコンサルタントもいる。顧客の信頼を裏切っているが買収したCEOは短期の売り上げが立てばいい。罰せられることはない。

Why leaders "eat" first

会社で問題があった場合にCEOなどの偉い人は多額の退職金を手にして去る。普通の従業員は少ない額になる。リストラする際も下から。

Agency problem. 判断を委譲する時に個人の利益と元のオーナーの利益が相反する時がある。インセンティブを作ることで解決できることがある。マネージャーの評価に部下からの声を聞くなど。

偉い人と現場の人の気持ちがずれるのを防ぎたい。定期的に現場の作業をするAt DaVitaの取り組みや、カスタマーサポートを必ず経験するZapposの新入社員研修など。

Take care of yourself

どれだけ会社に貢献して忠義を尽くそうとも、会社は人の仕事を無くしたりクビにしたりする。自分の事を第一に考えて、できる部分を協力しよう。

なぜ人の自立心を妨げるような悪いリーダーに人々は惹かれるのか?それは自立(autonomy)をしたくない人が多いからだ。自由に色々やれるようにするよりも誰かに指示された方が快適に感じる人達のこと。

Fixing Leadership Failures

著者の話を聞いて陰鬱な話と感じる人がいるかもしれないが、現実を見る方が大切。多くの労力と金がリーダーシップ教育に費やされているのにもかかわらず現実になってしまっている方が問題だ。

The most fundamental principle of learning theory is that behavior is a function of consequences.

多くの偉い人は悪い事をしても対して咎められない。なので悪い事を続ける。

大変かもしれないが、理想論ではなく現実に向き合うのは早い方がいい。みんなのためになる。