Radical CandorのKim ScottがForewordsを書いてたのでNYPLで物理本を借りた。シリコンバレーで大成功した著者がこれまでの経験の中にあったリスクと選択について語る本。キャリアのリスクは皆が思っているものではない。
Introduction
All-or-nothingとしてキャリアのリスクを捉える人が多い。これはメディアが、成功者がいかに危険なリスクを取ったかを喧伝するからである。
リスクテイクは失敗するものである。しかしその本質は長い時間をかけて様々な選択をすることにその力があることである。
failure loses its conventional scariness when you think of risk-taking as the process of choosing possibility
Part 1 Get Going Ditch the hero’s journey. The Myth of the Single Choice. ヒーローは大きい一つのリスクを取ったように見えるが、現実には小さい積み重ねで大きなチャンスが巡ってくるものである。この時代、最大のリスクは何もしない事。
リスクテイクが上手になりたかったらセールスをやるといい。小さなリスクを負って何回もセールストークをしてほぼ失敗するけれど、ある程度の確率で成功する。(成功しなかったらそのビジネスはやっていけないし) Eleanor Roosevelt曰く
Do one thing every day that scares you.
著者の父親はアフリカからカナダに移住して開業医をやっていた。著者が8歳の時に税処理を任せた。これで著者は起業することが不思議な冒険というよりも連続した小さな事柄でリスクをとるということだと学んだ。ブランドの商標を取るとか、オフィスのローンを組むとか。そういう姿勢を見る事で父親は直接は話さなかったが、著者はリスクテイクについて学んだ。
John Henry Newman 曰く
A man would do nothing if he waited until he could do it so well that no one could find fault.
新しい事を学んだり、新しいスポーツを始めるのも小さい挑戦の一つ。
- 新しいチャンスを見つける
- 新しい事を学ぶ
- 新たなゴールを目指す
- 困った事を避ける
「本当にやりたい事」が見つからなくても幾つかのチャンスを同時平行で狙おう。著者はMerrill LynchのインタビューとTD Bankのオファーと医学部への応募を同時に進めて、結局Merrill Lynchに行った。
並列に20個ものe-commerce関連サービスを立ち上げて成功した起業家Ashvin Kumarの話。何個も作ることで自分の好きなマーケットや自分たちのことが良くわかってくる。
友達や家族に壁打ち相手になってもらうと良い。ポジティブな関係の人。
Why proximity beats planning. 人生予定をたててもその通りにはいかない。起業など自分の知らない分野はその道に詳しい人に囲まれるといい。著者はそのためSkyの仕事を辞めてベイエリアに引っ越した。仕事もあるだろうし、いざとなれば親が助けてくれるだろうし。
進化の過程で人々の中には"危ないぞ気をつけろ"という思考が備わっている。これに打ち勝つためにポジティブなことばかりかんがえようとする人も(特に起業家)多いけれど、ダウンサイドをしっかり見つめよう。
ダウンサイドに陥ったとしてもまたそこに選択肢がある。転職先で上手くいかなくてもまた転職できる。
リスクや恐怖に名前をつけると良い。
Part 2 Get Smarter
何をするかよりも誰とするかが大切。著者がJungleeに入社する時は最初は中身が全然楽しそうじゃなかったけれど、人に会う事でその人達が好きになり結果成功した($1 million)。
仕事で一緒になった人とはまだよく助け合う。大切なネットワーク。
成功は運だ。ただし周囲の環境や業界の動向の波に乗る事で成功する確率が高くなる。世の中の流れに逆らわないように生きよう。
自分の弱点(kryptonite: スーパーマンの超能力を冒す金属)を他の人から聞こう。何度もやると慣れる。
悩んだらスコア付けをしてみよう。あまり役に立たなさそう。
個人的な付き合いもありつつプロフェッショナルなことも分かるひとをProfessional Priestとしてメンターになってもらう。
Maximum Variable Choice. キャリア上の大きなジャンプ。Minimum Variable Choice. 大きなジャンプをする前に小さな事をやってみる。例えばCEOになってGoogleを辞める前にリクルーターの話を聞いてみるとか。
著者はGoogleを取り敢えず辞めてみてなじみのVCで働きつつCEOになると良さそうな会社を探した。著者の能力を補完するような人たちがやっている会社を探した。
Part 3 Get Rewarded
PolyvoreでCEOをやったけれども6ヶ月しか続かなかった。辞めることにやなったけど、いざというときの事を交渉しておいた。その後その会社は買収されたので大金を手にした。
予想通りには行かないが、この経験とお金はGoogleを辞めていなければ得られなかったものである。
リスクと報酬は線形な関係ではない。一見著者はするすると成功しているように見えるがこれは小さい挑戦や失敗を何回もやっているから。
Impact Fails. 次の過ちを避けよう。
- Pursuing too many goals at once
- Failing to take feedback
- Mistaking motion for impact. プロジェクトをやった事(activity)だけ説明してそのインパクト(outcome)の説明に欠けるレジュメが多いのは残念。過去の失敗の学びも面接で話そう。
- Keeping your fingernails clean. 難しいことは泥臭い事でもある。みんなしあわせな綺麗な解法がない事は多い。
会社を辞めるときは他の人がインパクトが出せるように手伝ってあげよう。
eBay傘下のStubHubに入る時はAmazonにやられてしまっているので株主からのプレッシャーが強いと分かっていた。なのでM&Aの時にどうするか等を雇用契約に入れておいた。
成長は常にするものではなくサインカーブのようなサイクルになっているものである。
著者の父の影響は大きかった。アフリカで成功したあとカナダでも開業医をした。
Mostly he viewed the world around him as abundant with opportunity, and everything worth learning and trying.
彼は他の人が彼らの前にあるチャンスに気づかせてあげるのによく時間を使っていた。他の人を祝ったり楽観的な気持ちや温かい気持ちを伝えた。